ウゴービとは

ウゴービは、GLP-1受容体作動薬「セマグルチド」を主成分とする肥満症治療の注射薬です。
GLP-1は食事を摂ると小腸から分泌される生理活性ホルモンで、膵臓からのインスリン分泌を促して血糖値を調節するとともに、食欲を抑制する作用があります。
ウゴービはこのGLP-1の働きを補強する薬剤で、もともと2型糖尿病治療薬として広く使用されていたセマグルチド製剤が、優れた体重減少効果から肥満症治療薬として承認されました。
2024年より保険診療での処方が可能となりましたが、処方できる施設には厳格な要件が設定されています。
具体的には、日本糖尿病学会、日本内分泌学会、日本循環器学会いずれかの専門医が常勤し、管理栄養士による栄養指導体制が整った教育研修施設である必要があります。
これらの条件を満たすクリニックは全国的にも少なく、実質的には大学病院や総合病院でしか保険処方を受けられないのが現状です。
このような背景から、当院では多くの患者様に治療機会を提供するため、ウゴービによる肥満症治療を自由診療(自費診療)にて行っております。
薬は、このGLP-1を補う薬剤であり、血糖値を下げるだけでなく食欲を抑制することで体重減少する効果も期待できることから、2型糖尿病患者さんの治療薬として広く用いられています。
このような方におすすめ
下記に該当するにおすすめです。
- 食事・運動療法をしているが、なかなか目標体重に到達できない
- 肥満が原因で発症する健康障害を解消、改善、予防したい
- BMI 35 kg/m2 以上で、高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかを有する
- BMI 27 kg/m2 以上で、2つ以上の肥満に関連する健康障害がある
ウゴービの治療を受けるための条件
当院でウゴービの治療を行うためには、下記の条件を満たしていることが必要になります。
- BMIが35 kg/m2以上で、高血圧、脂質異常症または2型糖尿病のいずれか1つ以上の診断がなされ、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られない
- BMIが27 kg/m2以上で、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する
(耐糖能障害、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症・痛風、冠動脈疾患、脳梗塞・TIA、非アルコール性脂肪性肝疾患、月経異常・女性不妊、閉塞性睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群、運動器疾患〔変形性関節症・脊椎症〕、肥満関連腎臓病)
※上記の対象者以外での美容や体重減少、ダイエットを目的とした処方は有効性・安全性が確立していませんので、処方は行いません。
ウゴービの効果
ウゴービの治療により、食欲を抑制し、エネルギー摂取量を変化させることにより、以下の効果が期待できます。
- 体重減少
- 内臓脂肪の減少
- 腹囲の減少
日本人・韓国人の肥満症患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験(NN9536ー4382)では、食事・運動療法に加えてウゴービ週1回皮下注射を68週間行うことで、平均13%の体重減少効果が認められました。
また、8割以上の患者で5%以上の体重減少が確認されました。
ウゴービの使用方法
「ウゴービ」皮下注MDは週に1回皮下注射する、4回使い切りの注射剤です。
自己注射ができるように開発されたペン型の注入器で、毎週決まった曜日に、食事時間に関係なく注射します。
0.25mg、0.5mg、1.0mg、1.7mg、2.4mgの5段階があり、4週間の間隔で増量を検討していきます。
処方後は速やかに冷蔵庫(2~8℃)に保管してください。
使用後のペンは医療スタッフの指示に従って廃棄してください。
注射を忘れた場合
次の投与予定日まで2日(48時間)以上ある場合は、気づいた時点で直ちに投与し、その後は通常の曜日に戻します。
2日未満の場合は忘れた分は投与せず、次の予定日に注射します。
ウゴービ投与のスケジュール
ウゴービ投与前には、高血圧・脂質異常症・2型糖尿病の診断が必要なため、採血・採尿を行います(自費診療)。
Step1初回受診
診察、食事運動指導、身長体重測定、血圧測定、血液・尿検査。半年以内の健診結果があればご持参ください。
Step2ウゴービ開始
ウゴービの適応がある方は初月は0.25mg/週(1本で4回分)から開始します。
Step32~4週間後
再診にて体重・血圧測定、効果判定。必要に応じて検査を追加します。
Step4それ以降
4週間ごとに効果を見ながら0.5mg、1.0mg、1.7mg、2.4mgへ段階的に増量を検討します。
ウゴービの副作用
- 消化器症状
吐き気、下痢、便秘、消化不良、腹痛など - 低血糖
脱力感、倦怠感、空腹感、冷や汗、動悸、ふるえ、頭痛、めまいなど - 急性膵炎
嘔吐、激しい上腹部・背中の痛み、お腹のはりなど - 胆のう炎・胆管炎黄疸
白目が黄色くなる、腹痛
など
当院では副作用を抑えるため、少量から開始し徐々に増やしていきます。
患者様ごとの最適な治療プランをご提案いたしますので、気になる症状があればお気軽にご相談ください。
肥満症に対して既存の治療法で効果が得られずお悩みの方も、ぜひ一度ご相談ください。
費用
自由診療(自費診療)となります。
| 初診 | 3,330円 |
| 再診 | 750円 |
| 用量 | 料金(税込) |
|---|---|
| 0.25mg(4週間分) | 14,000円 |
| 0.5mg(4週間分) | 22,000円 |
| 1.0mg(4週間分) | 32,000円 |
| 1.7mg(4週間分) | 43,000円 |
| 2.4mg(4週間分) | 54,000円 |
※当クリニックは国内販売代理店経由(医薬品卸)で購入しております。
※初回は看護師が指導の上で注射を行います。
※ご自身での注射が不安な方は、来院での注射も可能です。
初回の4週間分は再診料不要で対応いたします。














